Webサイトに動画を埋め込むとき、「WebM形式」という拡張子を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
この記事では、WebMとは何か?その特徴・歴史・再生方法・編集対応アプリ・変換方法までを詳しく解説します。
✅ WebMとは?基本情報
WebM(ウェブエム)は、Googleが開発したオープンソースの動画ファイル形式です。拡張子は「.webm」で、HTML5に最適化された動画フォーマットとして知られています。
項目 | 内容 |
---|---|
拡張子 | .webm |
映像コーデック | VP8 / VP9 / AV1 |
音声コーデック | Vorbis / Opus |
主な用途 | ウェブブラウザでの動画配信(HTML5 video) |
特徴 | 軽量、高圧縮、オープン仕様、著作権フリー |
この形式は、特に軽量なストリーミングや透過動画(アルファチャンネル付き)を必要とする用途で重宝されています。
🕰 WebMの歴史と進化
◾ 2010年:GoogleによってWebM発表
WebMは、2010年にGoogleが「オープンでロイヤリティフリーな動画フォーマット」として発表しました。目的は、当時主流だったFlash形式に代わるHTML5対応の動画規格を普及させることでした。
Googleは、2009年に買収したOn2 Technologies社のVP8コーデックをベースにWebMを開発。これにより、Web上で動画を高速・軽量に再生できるようになりました。
◾ その後の進化:VP9・AV1の登場
- VP9(2013年):VP8の後継で、高画質・高圧縮に対応。YouTubeもVP9形式で配信しています。
- AV1(2018年〜):次世代の超高圧縮規格。NetflixやAmazon Prime Videoも採用??という噂。
🌐 WebMに対応しているアプリ・再生環境
🎥 再生できるメディアプレイヤー
WebMファイルは以下のような無料・高性能プレイヤーで再生可能です:
- VLC media player(Win/Mac/Linux):オープンソースの万能再生ソフト
- MPV:軽量で高画質、コマンドライン操作も可能
- PotPlayer(Windows):細かい設定が可能な高機能プレイヤー
- Windows 10/11 標準アプリ:VP9コーデックが入っていれば再生可能
Macの「QuickTime」はデフォルトでは非対応ですが、変換ツールを使えば再生できます。
🌍 Webブラウザでの再生
WebMは主にWeb用に最適化された形式であり、以下のブラウザでネイティブサポートされています:
ブラウザ | 対応状況 |
---|---|
Google Chrome | ✅ 完全対応 |
Mozilla Firefox | ✅ 完全対応 |
Microsoft Edge | ✅ 完全対応 |
Opera | ✅ 完全対応 |
Safari(Mac/iOS) | ⚠ 部分的(AV1のみ対応) |
つまり、Google ChromeやFirefoxを使えば追加のプラグインなしでWebM動画を再生可能です。
✂ WebM対応の編集・変換アプリ
🛠 動画編集ソフト
以下の編集ソフトで、WebMファイルの読み込みや出力が可能です:
ソフト名 | 対応内容 |
---|---|
Shotcut | WebMの読み書き対応。無料で使える本格派編集ソフト |
DaVinci Resolve | 入力対応。出力には別形式が必要 |
Adobe Premiere Pro / After Effects | 入力可能だが、出力には外部エンコードが必要 |
🔄 WebM ⇄ MP4変換方法
動画形式を変換したい場合は、以下のようなツールを使いましょう:
FFmpeg(高機能な無料コマンドラインツール)
bashコピーする編集するffmpeg -i input.webm output.mp4
このように、コマンド一行で簡単にWebMからMP4に変換可能です。
🎯 WebMとMP4の違い
特徴 | WebM | MP4 |
---|---|---|
ライセンス | オープン&無料 | 特許あり(H.264など) |
圧縮効率 | 高(VP9/AV1) | 中(H.264) |
アルファ透過 | 一部対応 | 非対応(基本) |
ブラウザ互換性 | Chrome/Firefox向け | Safari/iPhoneなどで優秀 |
編集互換性 | 限定的 | 高い(ほとんどのソフト対応) |
WebMはWeb向け、MP4は汎用向けと考えるとわかりやすいです。