Windowsのタスクバーは便利な機能ですが、作業中に画面スペースを広く使いたい場合や、集中力を高めたい場合には邪魔に感じることがあります。そんなときに役立つのが、PowerShellを活用してタスクバーを非表示にする方法です。
本記事では、初心者でも実践できる3つの方法を詳しく解説します。さらに、エクスプローラー再起動やNirCmdの活用といった応用テクニックもご紹介します。
1. PowerShellでタスクバーを隠す方法 (レジストリ変更)
最も確実で恒久的な方法が、レジストリの値を変更する方法です。PowerShellのコマンドを活用して、数ステップでタスクバーを自動的に非表示にできます。
# タスクバーの自動非表示を有効にする
Set-ItemProperty -Path "HKCU:\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\StuckRects3" -Name "Settings" -Value ([byte[]](0x30,0x00,0x00,0x00,0xFE,0xFF,0xFF,0xFF,0xAB,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00))
# エクスプローラー再起動 (変更を反映)
Stop-Process -Name explorer -Force
Start-Process explorer.exe
元に戻したい場合
タスクバーの自動非表示を解除する場合は、次のコマンドを実行します。
Set-ItemProperty -Path "HKCU:\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\StuckRects3" -Name "Settings" -Value ([byte[]](0x30,0x00,0x00,0x00,0xFE,0xFF,0xFF,0xFF,0x7A,0xF4,0x00,0x00,0x03,0x00,0x00,0x00,0x60,0x00,0x00,0x00,0x60,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0xD4,0x07,0x00,0x00,0x20,0x0D,0x00,0x00,0x34,0x08,0x00,0x00,0xC0,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00))
Stop-Process -Name explorer -Force
Start-Process explorer.exe
元の状態を取得する場合、”自動非表示を有効”を実行する前に今の状態を下記のコードで保存しておく
# レジストリからバイナリデータを取得
$regValue = Get-ItemProperty -Path "HKCU:\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\StuckRects3" -Name "Settings"
# バイナリデータを[byte[]]として取得
$byteArray = $regValue.Settings
# 0x形式で表示するために、各バイトを変換
$formattedByteArray = $byteArray | ForEach-Object { "0x{0:X2}" -f $_ }
# カンマで区切って表示
$formattedByteArray -join ','
# 結果を表示
Write-Host ($formattedByteArray -join ',')
2. NirCmdでタスクバーを非表示にする方法 (簡易)
「レジストリの編集は怖い…」と感じる方には、無料ツールのNirCmdを活用するのが便利です。
NirCmdとは?
NirCmdは、Windowsのさまざまな操作をコマンド1行で実行できる強力なツールです。インストール不要で、ファイルをダウンロードするだけで利用できます。
手順:NirCmdの使用
- NirCmd公式サイトから「NirCmd」をダウンロードし、任意のフォルダに展開します。
- PowerShellで以下のコマンドを実行します。
.\nircmd.exe win hide class Shell_TrayWnd
タスクバーが即座に非表示になります。再表示する場合は次のコマンドです。
.\nircmd.exe win show class Shell_TrayWnd
3. Explorer.exeの再起動で不具合解消 (応急処置)
「タスクバーが表示されない」「タスクバーがフリーズして反応しない」といった不具合には、エクスプローラー再起動が有効です。
PowerShell コマンド
Stop-Process -Name explorer -Force
Start-Process explorer.exe
これでエクスプローラーが再起動し、タスクバーの不具合がリセットされることが多いです。
4. おすすめの方法まとめ
方法 | 難易度 | 特徴 | おすすめのシーン |
---|---|---|---|
PowerShell (レジストリ) | ★★★ | 恒久的な設定変更 | 常に自動的にタスクバーを隠したい方 |
NirCmd (簡易コマンド) | ★★☆ | 簡単&安全な非表示 | 一時的にタスクバーを非表示にしたい方 |
エクスプローラー再起動 | ★☆☆ | 即時リセット | タスクバーの不具合が発生したとき |
5. 注意点とトラブルシューティング
- レジストリ変更の際は、必ずバックアップを取る
- NirCmdは正確なパス指定が必要なので、
nircmd.exe
の場所を確認しておきましょう。 - エクスプローラー再起動後にタスクバーが戻らない場合は、PCの再起動を試みると解決することがあります。
6. まとめ
PowerShellやNirCmdを活用することで、タスクバーの非表示を手軽にコントロールできます。特に、作業効率を向上させたい方やプレゼンテーション時に画面をスッキリ見せたい方におすすめです。